渋谷と言えば若者の街。
都会の雑踏の印象があります。
渋谷センター街などはその象徴。
若者たちが最新のファッションで闊歩していて雑貨やドラッグストア、ファーストフードや飲食店などでごった返している印象です。
文化の街、渋谷
でも渋谷は実は文化の街でもあります。
文化村通りをとおって東急本店やオーチャードホールまでに行く道筋は何となくヨーロッパの通りのような文化の香りがします。
もっとぐっと日本的になるのが明治通りをちょっと六本木方面に入った所です。
この辺はマンションや住宅に混ざっておしゃれな喫茶店や雑貨屋さんがあって大人度がぐっと上がるのです。
ちょっとした林のような茂みがあったり、すごく自然があふれる居心地の良さがあるのもこのあたりです。
そして静かで癒されるとっておきのスポットがあります。
それが金王八幡宮です。
渋谷に神社が・・・!と驚かれる方もいるかもしれませんがこの神社の周りは渋谷の喧騒が想像できないくらいの静かで神聖な別世界なのです。
すこし入ったところには国学院大学という神道系の大学もあって静かでアカデミックな雰囲気が漂っています。
春は桜が静かに舞い散って別世界のようです。
夏の暑い時には木陰の涼を求めて行くのもいいかもしれません。
冬の凛とした神社のたたずまいには背筋が伸びる思いがします。
そんなふうなとても美しい知る人ぞ知るスポットの神社なのです。
公式サイトによるとこの神社は第73代堀河天皇の御代、寛治6年正月15日、1092年に鎮座された由緒正しい神社なのです。
渋谷や青山の總鎮守として崇められています。
神社もあります
いい神社というのは一歩境内に入ると分かるものでよく掃き清められたすがすがしさを感じます。
仕事に疲れた時、勉強がうまくいかない時に訪れたい、そんな神社なのです。
その神門は美しく朱色に塗られているのですが江戸時代初期の建築様式のものでとてもめずらしい門です。
都内でも代表的な時代を象徴する門となっていて、渋谷区指定文化財煮も指定されています。
この神社に祭られているのは金王丸という平安、鎌倉時代の人物です。
金王丸は源義朝のもとで戦い、
保元の乱(1156)という戦で大活躍をして知られた武将です。
義朝の子供である鎌倉幕府を開いた頼朝とも親交があったとされています。
この神社には「毒蛇長太刀」という刀が伝えられています。
この刀は実は金王丸が所持していたものです。
長田の館というところの戦いで「鉾先に向かいその刃風に触れる者生きて帰る者なし、鰐口は遁れるとも毒蛇の口は遁れ難し」と言ったことにより名付けられた由緒正しい太刀なのです。
ちょっと怖い気もしますが歴史を担ったものが神社に収められていると考えると感慨深いですね。
さらに金王神社の公式サイトによるとこの境内にある金王丸御影堂というお堂には金王丸が17歳で出陣のしたときに、お母さんに形見として残した自分の姿を模した木像が納められています。
昔の若者の決意を思い出させるエピソードです。
この神社特におすすめしたいのが桜の時期です。
この神社の桜は金王桜といって渋谷区指定天然記念物になっています。
普通の桜は八重咲と一重咲きが別々の木に咲きますが実はこの金王桜、一枝に八重咲と一重咲きが同時に咲くことで有名なのです。
歴史も古く江戸時代の書物にも江戸の三大桜として記されています。
ちょっと疲れた時、勇気がほしい時、渋谷でぜひ行っていただきたいスポットなのです。