本物の”外国”に会える

おいしいパン屋さん

パン渋谷に寄ると必ずと言っていいほどたどる道がある。
ヨーロッパに7年ほど住み、今も“外国”が大好きな私を十分に満足させてくれる道だ。
まず向かうのはフランスのパン屋さん、VIRON。
文化村の向かい側にある。

小麦粉をフランスから直輸入してパンを焼いているというこだわりのパン屋さんだけあって、どのパンもフランスで食べたパンの味にそっくりだ。
実はこのパン屋さんを教えてくれたのは日本に住むフランス人の友達で、彼女もこのパン屋さんのパンは「フランスの味だ。」と太鼓判を押していた。

特に好きなのはパン・オ・ショコラ。
一つだけ買ってフランス人のように食べながら歩く。
(日本ではちょっとはしたないけど、パリでは食べながら道を歩いている人をよく見かける。パリでタルトを食べながら歩いている人も見たことがある。)

サッカーの試合観戦もします

次に向かうのはジ・オールゲイトという名のブリティッシュパブ。
センター街にあるビルの3階で、場所が少し分かりづらいけど、目印にイギリスの旗が出ているのでそれを目当てに探す。
無事にパブを見つけたら、いざ店内へ。
一歩お店に入るとここはイギリスでは、と勘違いしてしまうほど。
店員さんも半分ぐらいが英語を話す外国人で、お客さんもほとんどが外国人。
さっきまでの渋谷の喧騒がうそであるかのように、みんな静かにビールを飲んだり食べたりして、英語で語り合っている。
メニューのほかは店内の表示はすべて英語だ。

ビールサッカーの試合がある日はみんなでこのパブに集まって観戦したり、ビールを飲みながらバイオリンのクラシックコンサートに耳を傾けたりする日もある。
常においてあるビールは10種類以上で、日本ではあまり見かけないビールばかりだ。
毎回変わるゲストビールもある。

ちなみに、ここにもギネスビールは置いてあって、ギネスを注文すると、ビールの泡の上にアイルランドの国の植物であるシャムロック(三つ葉のクローバー)を描いてくれる。
どのビールも味わいが深くておいしいけれど、私の一番のお気に入りはアップルサイダー(シードルのようなアルコール飲料で、シードルよりアルコール度数が高いような気がする)。
フィッシュアンドチップスやコーニッシュ・パスティなどのイギリスっぽい食べ物を食べながら飲む。
隣のテーブルが英語を話す外国人だったら最高だ。
実はこのブリティッシュパブを教えてくれたのも日本在住のイギリス人の友人。
初めて連れて行ってくれた日はクラシックコンサートが開かれていた時で、私たち以外お客さんが全員外国人だったのには本当に驚いた。

この時初めて、イギリスでは食卓でお料理に塩と酢をかけるのだということを教えてもらった。
だから各テーブルに塩と大麦から作られた酢が置いてある。
渋谷のこの界隈は、本物の“外国”に出会える素敵な場所だ。
次回渋谷に行く時もこのお気に入りのコースをたどって、まだ食べたことのないパンやまだ飲んだことのないビールを試してみたいと思っている。